私が子供の頃からずっと一緒に転居してきたエビネです。
今年も元気に咲きました。
子供時代、父と二人で山に出かけることが私の楽しみの一つでした。
この花は、その時の道行きで見つけたものです。
たくさん群生していた株を一株だけ持ち帰り、庭の半日陰のところに植えました。
やがてそれがしっかり根付き、毎年 株が増え続けたのです。
庭の日陰は、ずいぶんと賑やかになりました。
4・5年経ったころでしょうか、また父と二人で山に入ったとき
群生していたエビネが無くなっていました。
父は「盗掘された」といって 淋しそうでした。
私は庭で増え続けるエビネを持って行ってその場所に植えましたが、
2・3年するとまた姿を消してしまいました。
その後はもうそこへは移植に行きませんでした。
転居するたびに 私はそのエビネの根っこをそっと掘り起こし
新しい家の庭に持って行きました。
そしてこのように、今もエビネは元気に株を増やしています。
地味な色ですが、日陰で賑やかに咲く花の姿には
子供の頃の懐かしい父の面影が重なります。
大きさ : 草丈30cmぐらい